シェア先生の授業リポート

2007/02/16
東京都 武蔵野市立第二小学校の巻

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武蔵野市立第二小学校

「お客さ~ん。忘れ物ですよ!」と背後で声がした。まさか自分のこととは思わなかった。それがまさかだったのである。
武蔵野市立第二小学校へ向かうタクシーから降りた時の出来事だ。ロールプレー用『フリップ』に『たすき』や『資源カード』が入ったビニール袋、毎回、これだけは忘れまいと念には念を入れて準備する。授業をわかりやすく楽しく演出する貴重なグッズなのである。当日も、ビニール袋にこれらの必需品を小分けにして運んだ。あとで気づいたのだが、小分けした袋の一つがするりと抜け落ちてタクシーの座席に置き去りになってしまったようだ。「ありがとうございます。本当に助かりました。」とタクシーの運転手さんに何度もお礼を言った。

さて、授業のちょうど1週間前のこと。学校での事前打合せの帰り道、たまたま通りかかったタクシーに乗った。「おや?」クレジット・カードで膨らんだ財布が目に留まる。「落し物?」女性のものらしい。落し主はさぞかし心配しているだろう。運転手さんに「これ、落し物です。」と言って手渡す。

「そうですか。」と気のない返事。財布は無造作にポイッと助手席に放られた。「早く落し主に財布が戻るといいな。」と密かに願ったのを覚えている。

これらは学校との行き来にたまたま利用したタクシーでの偶然の出来事。前回は拾って届けた。今回は忘れ物をした。運良く戻った。そこには因果関係はない。でも、何か不思議な力が働いたような気がする。「人の喜ぶことを心がけていると、いつか、廻り廻って自分の所に来るものだよ。」と、祖母が言っていたのをふと思い出した。


それでは、授業の話。先生方と相談の上、今回は新たなチャレンジに取り組むことにした。先ずクラス単位の授業を3クラス合同授業にしてみる。そして1コマ目は、当方から「私たちの暮らしと経済や株式会社とのかかわり」をテーマに通常どおり授業する。新たな試みは2コマ目だ。チーム別に児童が発表(先生に児童の事前学習「会社の努力・工夫について」を依頼)する。

進行役は先生にお願いし、当方は発表内容に対するコメント役になる。
それに、授業を保護者の方々に見ていただくことにする。これが小学校向けの新たな試みである。

いよいよ授業当日。30人近くの保護者が見守るなか、児童はチームごとに身近な会社や魅力を感じている商品について、その理由などを次々に発表する。
18のチームごとの発表は、社名の由来から沿革・活動内容・経営理念についての説明であったり、商品の魅力紹介やライバル会社との商品比較であったり、商品知識豊富な消費者サイドからの鋭い感想であったり、売上・利益・時価総額など財務用語を用いての会社分析や株価報告であったり、ペットボトルの廃棄処理を実演しエコロジーへの取り組みを紹介したりなどなど。実に多彩で大人も顔負けだ。

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児童たちの多彩な発表

児童による掘り下げは身近な日常品やゲーム機器などを作る会社調べから始まり、地球環境・エネルギー問題など未来社会のテーマにまで発展して実に素晴らしいものとなった。随所に「え!これが小学生の気づきなの。」と思わせるほどの鋭い感性に驚いた。集中力と熱気で予定の時間をはるかに越えてしまい先生に大変迷惑をかけてしまった。

従来の当方の講義型授業に加え児童が発表者として中心的役割を果たす授業ができたこと、そして、児童の一所懸命の取り組みを保護者の方に見ていただいたことで、とても充実した時間を感じることができた。また、授業を通じての感想だが、小学校児童の潜在能力の高さには正直目を見張った。

校長先生にお礼のご挨拶をして校門を出る。「今日をきっかけに、会社や社会への興味・関心は深まる。更なる掘り下げで会社の努力・工夫に気づく。ひいては、好きな会社に出会う。将来の進路や職業にむすびつく。」などと想いは拡がり、一人満足顔で武蔵境駅に向かう。タクシーが一台、夕暮れの寒風を突いて忙しそうに走り去った。

<シェア先生(大)>

<東京都武蔵野市立第二小学校のHPはこちら

 

 

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